指揮官フェーのスタイルは“2バック”
酒井高徳は静かに新たな戦いを始めている。
2014年8月24日、シュトゥットガルトはアウェイでボルシアMGとブンデスリーガの開幕戦を戦った。
酒井にとっては、シュトゥットガルトのチームで戦う4度目のシーズンになる。昨季は降格争いを演じて、かろうじて15位でブンデスリーガに踏みとどまったチームは、今季から2007年に同クラブを優勝に導いたアルミン・フェーを再度、指揮官として迎え入れた。
「前半は、今年からのチームの戦い方として、両SBが高い位置を取って攻撃的に行く、というスタイルで行きました。監督の考え方として、相手に対して先手を取る、ということが最初にあるんです。
両SBが上がる分、前に人がいることになるので、攻守の切り替えや守備の陣形は早めに整えられる。なので、前半はピンチというピンチはなかったです」
指揮官フェーのスタイルは2バックとも取れる。シュトゥットガルトのSB、右のクレインと左の酒井は、相手のサイドハーフのライン、ひいては相手の4バックのラインにまで高い位置を取った。
高い位置を取ることで、相手に対して数的優位を作り易くなる。酒井自身、25分に、CBルディガー、トップ下ディダビと繋いだところから、積極的にサイドアタックを仕掛けた。
27分には、左SHのマキシムから、ワントップのイビセビッチが降りてきてボールを受けたところから、同様の攻撃パターンを見せた。
またそういったポジショニングは、対面したサイドアタッカーのアンドレ・ハーンを牽制することにも成功する。高い位置を取る酒井をマークするために、ハーンは何度も低いポジションを取らざるを得なかった。