まさに残留至上主義
さらに言うと、J1はどこも身の丈を意識した保守的な経営で、損得抜きで勝利を追求する“石油王”的なオーナーが少ない。三木谷浩史氏、稲盛和夫氏といった立志伝中の富豪がJクラブの経営に関与しているが、お金の使い方は良くも悪くも上品。お二人の志もあるだろうが、成金的なものを嫌い、足を引っ張る日本社会の風潮も大きい。
勝ちたくない、負けたくない――。
経営のことを考えると優勝はリスクですらある。だから突出を嫌い、優勝は強く望まない。でもJ2降格というピンチには“親子“で必死に立ち向かう。勝利至上主義ならぬ“残留至上主義”が、この夏の大補強から見て取れるジャパニーズスタイルのクラブ経営だ。
【了】
関連リンク
【J1、夏の補強診断。勝利のための“出し入れ”は成功したのか?】大卒から見る夏の補強診断。谷口彰悟らがクラブにとっての「補強」となり得た理由:西が丘の隠しボス・飯嶋玲子(J論)
1月17日、岐阜にラモスが来た日。その日から七カ月、長良川の景色は塗り変わった:岐阜のユース教授・安藤隆人(J論)
【日本代表アギーレ新監督に期待すること、不安に思ってしまうこと】「正しい」の定義。オセロ時代のメディアが「アギーーーレッ!」と叫ぶ日は来るのか?:酔漢ライター・前田拓(J論)
J論とは?