23日、ニッパツ三ツ沢球技場で横浜F・マリノスサポーターが川崎フロンターレの選手に対して、バナナを振る人種差別的行為を行った問題。
マリノスサポーターのゴール裏といえば、今年3月に浦和サポーターが差別的な横断幕を掲げた問題が起きた際には、直後の公式戦で「Show Racism the Red Card」との弾幕と掲げてメッセージを発している。そんなゴール裏のコアエリアから、なぜこのような行為が起きてしまったのか。
その一因として考えられているのが、この試合が川崎フロンターレとの神奈川ダービーであったことである。同じ神奈川に籍を置くクラブであり、なによりマリノスにとっては昨年の最終節で敗戦を喫して優勝を逃したという因縁のある相手。
しかもこの試合の場所は日産スタジアムではなく、ピッチまで近い距離で応援できるニッパツという専用スタジアムだった。そんな因縁の相手に対し、ピッチに向けて感情をぶつけやすかったという側面はあるといえる。
さらに、過去の対戦からそうした雰囲気がゴール裏にあったことは、コールリーダーであるひろあき氏の発言からも垣間みれる。彼はこの一連の出来事について、自身のブログで「昨日の川崎戦後のtwitterでの発言について」というタイトルブログで謝罪。
それと同時に、同ブログで「特に川崎戦では個人的な感情により周りを煽るような言動が私にあった事も今回のような事態を引き起こす要因となってしまったとも考えています」と、過去に川崎との試合で起きていたトラブルを含め、自身の発言が挑発を助長していた点も認めている。
この出来事を重く受け止めているマリノスサポーターが大半だが、中には「今回は、挑発の仕方が悪かったな」などと開き直った意見を発信しているサポーターがいるのも事実である。
25日付けの日刊スポーツには「選手を挑発する行為が日常的になっている延長線上」という中澤佑二の証言もあるように、今回の差別的行為は、日頃の挑発行為がエスカレートしていった結果だったとも言えるのかもしれない。
「Show Racism the Red Card」と掲げていたマリノスサポーターのゴール裏で起きた差別的行為。これを繰り返されない為に今後、どんなアクションを起こすのか注目される。
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