フットボールチャンネル

ドローのマンUに現地識者は厳しい評価。「プレーが読まれている」「球際で遅く、重苦しい」

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Getty Images

「問題は戦術的部分よりも個々の判断の部分」

「今のユナイテッドにはボールを素早く前線に運べる選手がいない。ボールを持って左右にボールを回すだけなら誰にでもできる。ユナイテッドの哲学は前に攻撃を仕掛ける事であり、(かつて在籍した現レアル・マドリーのクリスティアーノ・)ロナウドも常に前に立ちはだかる2、3人の選手に仕掛けていた。

 ファン・ペルシーとルーニーの2トップに関しては心配してはいないが、今日の試合で彼らはいいプレーをしなかった。2人は今後も得点力となりうるだろうが、味方からのパスの供給がなければプレーできない。

 今のユナイテッドには2トップにパスを供給する選手たちの創造力が欠けている。マタは十分なプレーをしているとは思わないし、ヤングももっと好機を演出しなければならない。彼らのプレーは相手に読まれている」

【元イングランド代表/元ユナイテッドDFガリー・ネビル氏】

「ユナイテッドは最初の15分間、不安と共にプレーし、いくつかのプレーはひどかった。簡単にボールを失い、球際のプレーも遅く、重苦しかった。先制点を決めてから少し自信を持ち直し、ボールも支配したが、試合を通して(点を取るために)リスクを冒そうとしなかった。ゆっくりと左右にボールを回す中で、リスクを冒してでも攻撃のスピードに緩急をつけるべきだったが、十分でなかった。

 選手たちは自分たちの役割を理解しているように思うが、彼らはボールを持った際に自分たちでリズムを作れずにいた。ファン・ハールはシステムが浸透するのに3ヶ月かかると言ったが、彼らの問題は戦術的部分よりも個々の判断の部分だ。

 現代サッカーでは、遅いペースでいいプレーはできない。今日のユナイテッドは常に遅かった訳ではないが、チームに相手の驚異となる選手がいなかった」

 ユナイテッドの次なる試合は26日に敵地で行われるリーグ杯2回戦だが、ローテーションすることが確実視されており、香川にも出場機会が回ってくる可能性は高い。しかし、地元メディアでは香川移籍の可能性も報じられているため、香川が残留を希望するのであればリーグ杯で爆発的アピールを見せ、30日のバーンリー戦(敵地)につなげるプレーを見せることは必至となる。

【了】

関連リンク

マンチェスター・ユナイテッドクロニクル
フットボールサミット第13回 香川真司取扱説明書 KAGAWAの活きる道
本田圭佑と香川真司 日本代表の核となる二つの個性
サッカー好きほど知らない戦術の常識
マンチェスターユナイテッド クリアファイル
香川真司 ユニフォーム型キーリング

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!