思い出されるジダンの事件。被害者はともにイタリア代表
対照的にブラン監督は、「サッカーをしたことのあるものなら、ピッチの上でどのような精神状態になるか、わかるだろう。サッカー上の出来事だ」と、より穏やかなトーンだ。
ここでふと邪推してしまうのは、「頭突き」といえば必ず思い出される、彼の国の英雄でありブランの僚友ジネディーヌ・ジダンのことが頭の片隅にあったのではないか、ということだ。
2006年のW杯決勝戦、試合の真っ最中にジダンはマテラッツィに一撃をくらわせた。
マテラッツィの執拗な誹謗中傷に我慢しきれず、というのがその理由だったが、かっとなって頭突きを喰らわせたという事実が同じなら、ジダンもブランドンも同罪人。試合が終わるまで我慢していたブランドンのほうが、まだいくらか冷静だった、ということにもなろう。
(ちなみに、どちらもやられた側はイタリア人…。彼らの挑発には、よほど相手を怒らせる毒気があるのか…)
この一件で、ブランドンの名前は、一日あたり1146ものメディアで報じられたそうだ。ここ最近のフランスサッカー絡みのニュースでは、一昨シーズン、PSGが優勝した後の凱旋パレードのときに、パリ市内で暴動が起きた事件以来の注目度だという。ブランドンは一躍、時の人だ。