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バスティアFWブランドンの“頭突き事件”。被害者となったPSGモッタの行き過ぎた挑発が原因か?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

血の気の多いブランドンに行き過ぎた挑発のモッタ

 ところで、ブランドンがなぜこのような行為に及んだかだが、試合中、2人は何度か接触があった。後からそれぞれのシーンを見直すと、モッタが後ろ足でブランドンを引っ掛けて転ばせている場面もあった。

 また、バスティアの選手は、「モッタは試合の間中、俺たちに“fils de…”と言いまくっていた」と証言(“fils de….”は、ありがちな、「娼婦の息子」)。

 いずれにしても、モッタがブランドンの怒りのスイッチを入れてしまったことは確かだろう。

 問題は、その怒りのスイッチがどれくらいの程度で入ってしまうのか、という堪忍袋の強さ加減と、それを暴力で報復するか、ということだ。

 ブランドンは、プレー面では、エゴが少なく献身的なタイプだ。しかし、血の気がだいぶ多いのは事実。同じ試合でも、彼の膝蹴りがもろに背中に入り、右SBのファン・デル・ウィールはハーフタイムに交代するはめになった。

 背骨の脇を挫傷し、数日間療養となる見込みだ。

 過去にも、マルセイユ時代には婦女暴行の容疑で逮捕され、一時ブラジルへ退避。サンテティエンヌ時代にもチアゴ・シウバの足を踏みつけて2試合、キャバイエのあごに肘鉄をくらわせて4試合の出場停止処分になっている。

(にもかかわらず、今年で6季目のリーグアンのキャリアで、彼が一度もレッドカードを受けたことがないのは不思議だ…)

 今後、被害者のモッタの話も聞きつつ、処分がくだされることになるが、PSGのアル・ケライフィ会長は「フランスサッカーのイメージのためにも、寛大な処置にとどめるべきではない。生涯謹慎くらいの厳罰も考慮してもらいたい」と強気に発言している。

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