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マンU、パス本数で圧倒も決定機の回数で下回りドロー。チームの完成度はまだまだ未熟。香川は次戦カップ戦で出番か

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

アタッキングサードでのパス本数で圧倒も決定機の回数で下回る

 ルイス・ファン・ハール監督は、この試合でも3-4-1-2のフォーメーションを採用したが、開幕戦同様に機能したとは言えないものだった。

 左WBのアシュリー・ヤングは、プレシーズンでは昨季と見違えるパフォーマンスを披露したものの、それはチームがボールを持つ時間が長く、攻撃に比重を置くことが出来たためだったのだろう。

 守備を迫られたこの試合では、不安定なプレーに終始。また、守備だけに留まらず、攻撃面でも効果的なプレーがなく、クロス本数は両チーム最多の7本を記録したものの成功はゼロ。さらにはダイブでイエローカードを提示されるなど、批判の的となった昨季の姿に戻ってしまった。

 左CBのテイラー・ブラケットが不安定なのは致し方ないとしても、ブラケットもヤングも誰かのカバーリングが必要な状況で、残るはクレバリー。ユナイテッドにとって左サイドは完全に穴となった。

 それだけに、ファン・ハール監督が重宝する左利きで、守備的なポジションであればセンターもサイドもこなせるロホの獲得は大きい。1日も早くコンディションを整えてチームにフィットすることが望まれる。

 とは言え、ユナイテッドの問題は左サイドだけではない。チームのパス総本数でサンダーランドの356本に対して470本、アタッキングサードでのパス本数でもサンダーランドの81本に対して175本と、ともに圧倒。しかし、決定機を作った回数ではサンダーランドの9回に対して5回と下回っている。

 パスを回しながらも決定機を作るには至っていない現状は、チームとしての完成度がまだまだということ。

 ここまでセントラルMFで固定して起用してきたエレーラの負傷欠場が響いたと言えるが、代役のクレバリーは相変わらず意図の見えないパスを繰り返し、フレッチャーに代わって後半18分から投入されたヤヌザイは不慣れなポジションでインパクトを残すことが出来なかった。

 クリス・スモーリングまで負傷したセンターバックと、このセントラルMFは残り1週間に迫った移籍市場での重要ポイントと言えるだろう。

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