仙台解任のアーノルド監督、シドニーFCの監督に就任
その経験豊富なダフを差し置いて、メルボルン・シティが国際マーキー選手枠(筆者注:サラリーキャップ枠外で獲得できる外国籍選手)で獲得したのが、元スロベニア代表のロベルト・コレン。
新生メルボルン・シティの10番を背負い、攻撃のタクトを振るうことになる33歳のコレンは、WBAとハル・シティの2チームでプレミアリーグとチャンピオンシップ(2部)を行き来しながらプレーしてきた実績のある技巧派MF。
ダフ、コレンという経験豊富な2人に、小野のWSW時代の同僚で豪州代表経験もあるアーロン・ムーイ、早くから期待されて昨季ようやく大ブレークを果たしたFWデビッド・ウィリアムスが絡む攻撃陣は、Aリーグでも屈指のクオリティを有することになるのは確実だ。
シーズン序盤10試合のビジャの大爆発で開幕ダッシュに成功すれば、新生メルボルン・シティが来季のAリーグのイニシアチブを握る展開も充分に考えられる。
その他にオフに積極的な動きを見せたのが、J1仙台での挫折が日本のファンの記憶に新しいグラハム・アーノルドが指揮を執るシドニーFC。
アーノルドの仙台監督の解任直後、「この解任でも母国(豪州)での彼の名声は揺るがない」というようなことを書いた記憶があるが、実際、豪州に戻ったアーノルドの元には複数の監督就任オファーが届いた。そんな中で、彼が選んだのがAリーグ屈指のビッグクラブのシドニーFCだった。
就任直後からアーノルドは、“脱デルピエロ“を意識した変革の姿勢を打ち出した。
補強の目玉として代表経験豊富なアレックス・ブロスケを国内マーキー選手(筆者注:サラリーキャップ枠外のオーストラリア人の特別枠契約選手)として復帰させ、国際マーキー選手として、レッドブル・ザルツブルグやトゥエンテなどでプレーしてきた2m近い長身を誇る現役オーストリア代表のFWマルク・ヤンコを獲得。
アーノルド監督が積極的な補強で、新生シドニーFCを10年以来のチャンピオンへと導けるのか—名将の采配に注目が集まる。