「観ていて楽しいサッカー」。風間監督の就任3年目で結実
なにより、これだけの特徴あるサッカーの展開し、かつ結果も両立させているチームが優勝争いしているとなると、伝える側も放っておかない。現に等々力競技場や麻生グラウンドに詰めかける報道陣は日に日に増えており、気づけばプレスルームも連日ほぼ満員だ。
クラブを取り巻き始めたこうしたメディアの変化について、中村憲剛はストレスを感じることもなく、前向きに捉えていると明かす。
「今は毎試合毎試合、『今日は何やってくれるんだろう?』、『何を見せてくれるんだろう?』というワクワク感が観ている側にもあるんじゃないかな。そして、それを見せたいというのは、やっている自分たちも感じている。
こういうサッカーをやっているので、それを観に来て欲しいし、そのことを(記者に)話していても楽しいから、もっと伝えたいね。ピッチ外の企画はもともとやってきているクラブだけど、チーム強化との両輪がまたハマってきたと思う」
風間八宏監督も同様である。プロクラブである以上、結果の重要性は言うまでもないが、それと同時に「どう勝つか」の部分を追求し続けて来た指揮官でもある。観客が何を望んでスタジアムに足を運んでいるのか。彼は、そこにもこだわってサッカーを作り上げて来た。
「選手は楽しむし、観客も楽しむ。そこをもっともっと磨きあげていきたいし、そこを目指してやることがフロンターレというチームだと思っている。自分自身もそうだし、選手もそう思っている。
それはチーム、会社の全てが望んでいること。それが自分たちの商品でもあるし、気持ちを引きつけるものであることは、サポーターも含めて全員が一致している」
観ていて楽しいサッカーを提供し、スタジアムに観客を呼び続ける。そしてしっかりと結果も両立させることができるのか。幾多の困難に直面しても信念を曲げずに突き進んで来た監督が指揮する3年目の川崎フロンターレは、今年のJリーグでそんな命題に挑戦している。
(スタジアム収容率ランクのデータ参照サイト)
http://www.jsgoal.jp/11mpark/ranking/capacity_stadium.php
【了】