9勝2分7敗で5位。昨季4冠からまさかの低迷
「今季のINACはなぜ勝てないのか?」
筆者は様々な取材場所で、様々な方からこの質問を受けてきた。頻繁に女子サッカーを取材されていない報道関係者や、プレナスなでしこリーグの他チーム関係者、スタッフ、選手、女子サッカーファンと、挨拶を済ませた後の『開口二番』は、この質問であることも少なくなかった。
それだけ、昨季4冠を達成したINAC神戸レオネッサ(以下、I神戸)の今季の低迷は、世間の関心を集めているという証明である。
なでしこリーグは現在、2回戦総当たりで行われたレギュラーシリーズ18節を終え、今週末のなでしこリーグオールスターを挟んで来週末からエキサイティングシリーズが開始される。
I神戸はレギュラーシリーズを9勝2分7敗で終えて勝ち越しはしたものの5位に沈み、エキサイティングシリーズ・上位リーグ進出の条件である6位以内を、最終節まで確定させることができなかった。
年間試合数の上下はあるが、これはI神戸が1部に昇格して間もない2007年シーズン以来最多の負け数だ。
主力選手の退団、監督采配、戦術浸透、経験値の多少、メンタルコントロールと、低迷の原因は複数あると、筆者は考える。特に今季は好不調の波が非常に激しかった。上位を狙うチームに競り勝てないだけでなく、中位以下のチームとの対戦で勝ち点を取りこぼしたことが直接的な原因だ。