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フットボールマネーを追え!【01】欧州リーグを発展させた放映権料と常識外の赤字経営

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Getty Images

欧州5大国と日本は、サッカー文化の浸透率に差

 もちろん一概には言えないが、両者間の意思疎通には、この文化コードの違いが多少なりとも影響していたのかもしれない。

 そして4つ目のクラブ、チェルシーのイングランドは(1)のリーガルコードで、モウリーニョ監督の母国ポルトガルは(2)のモラルコード。

フットボールマネーを追え!【01】欧州リーグを発展させた放映権料と常識外の赤字経営
その国の国民経済を占めるサッカービジネスの割合

 アブラモヴィッチ氏のロシアは(2)のモラルコードで、ユナイテッドオーナーのマルコム・グレーザー氏の米国は(1)のリーガルコード。

 そして、ここで興味深いのは、インテルの新オーナーとなったエリック・トヒル氏は、米ビジネススキルで全身を包んではいるものの、母国インドネシアは、UAEなどの中東諸国と同様、(3)のレリジャスコードに分類されるということだ。

 そのことが今後、インテルの経営にどのような影響を及ぼすのであろうか。表は、その国の国民経済に占めるサッカービジネスの割合を示したものである。

  指標
 国 リーグ収益(1)
(単位・百万ユーロ) 実質GDP(2)
(単位:10億ユーロ) サッカー文化指数(2)/(1)
(分かりやすくするため、%を千倍した)
イングランド(英) 2,946 1,860 158
ドイツ 2,018 2,486 81
スペイン 1,859 1,014 183
イタリア 1,682 1,560 108
フランス 1,297 1,813 72
日本(J1) 395 3,864 10
日本(プロ野球) (推測値)1,000 3,864 26
○数値はすべて2013年度(12/13シーズン)の統計
○リーグ収益とは、トップリーグの収益。出典は、デロイト・フットボール・マネー・リーグ
○1ユーロ=140円で換算
○英の実質GDPは、UKとしての数値のため、英単体としての実数は、さらに低い

 実際には、リーグ収益がGDPに占める割合は0.1~0.2%程度にしかすぎないため、算出結果を分析するにはやや無理があるものの、概略として、このサッカー文化指数を元に欧州5大国と日本とでは、サッカー文化の浸透率にはかなりの差があるということだ。

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