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Jリーグ 10年前

背水の陣のセレッソ、次節の相手は復調傾向の広島。苦境を脱するために何が求められるのか?

リーグ2連覇中のサンフレッチェ広島は、勝利のためにやるべきことを徹底する。全員が同じ方向を向いていると感じさせるチームだ。セレッソ大阪は前節、久々の複数得点を奪った。今節こそ勝利を掴み、浮上のきっかけにしたい。

text by 青木務 photo by Asuka Kudo / Football Channel

寿人とも石原とも違うタイプのフォワード、皆川佑介

 ここ数試合、自陣にブロックを作って待ち構える戦いを実践しているサンフレッチェ広島。後半に一気にギアを上げていくのだが、その徹底ぶりには強い信念を感じる。

 意図的にこう着状態を作り出すわけだが、前節の浦和レッズ戦は前半でセットプレーから失点したため、プランにやや狂いが生じた。無失点で前半を終えられなかったことが悔やまれる。

背水の陣のセレッソ、次節の相手は復調傾向の広島。苦境を脱するために何が求められるのか?
佐藤という前線の核を欠いた状況で奮闘しているのが皆川佑介だ【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 後半に入るとMF野津田岳人やFW皆川佑介らフレッシュな選手を入れて攻撃を活性化させており、90分を通してのプランニングは森保一監督の中にしっかりあるのだろう。

 監督・選手ともに前半の戦い方は準備してきた通りだったと話している。決してスペクタクルではないが、勝利のためにチーム全体が意思統一し、それを実践できているのも広島の特徴のひとつだろう。

 ただ、それだけでは試合には勝てない。問題は得点を奪えるかどうかで、前節は結局シャットアウトされている。浦和の守備の堅さも光ったが、広島の攻撃にもあまり迫力がなかった。エースのFW佐藤寿人が帰ってくれば状況も変わるだろうが、今節での復帰はあるのだろうか。

 佐藤という前線の核を欠いた状況で奮闘しているのが皆川だ。浦和戦でも決定的なチャンスに繋がるポストプレーを見せたが、ボールを収めてからヒールで落としている。マークにつかれながら周りの状況を見ながら余裕をもって味方を活かしていた。MF柴崎晃誠が走り込んでくるのもわかっていた。

「普段から練習で意識していることですし、いい走りを晃誠さんがしていた。ああいう形を増やしていければいいと思う」

 同点にこそならなかったが、日頃の練習の成果は確実にピッチ上に表れていた。

 186センチ皆川は佐藤やFW石原直樹らとは違うタイプの選手で、身体を張ってボールを収めることができる。前線で起点になるプレーや守備でのハードワークを森保監督は評価しており、彼がこのままコンスタントに試合に絡み自信をつけていけば、広島の攻撃にも違う迫力が生まれるはずだ。

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