「プロに行きたい、ではない。絶対に行くんです」
ただし、なかには潰れてしまうケースもあるわけで一概には言えない。92年組で高校サッカーに進んだ選手はほかにも数名いるが、プロに到達しようとしているのは松澤ただひとりだ。
「周囲へのアピールの点では、夏の総理大臣杯の出場を逃したのは痛かった。大学リーグでしっかり結果を残し、Jクラブからのオファーを待ちたい。僕の場合、プロに行きたい、ではない。絶対に行くんです」
9月6日、関東大学サッカーリーグの後期が開幕する。早稲田大の対戦相手は東京国際大学。7日、13時50分キックオフ。場所は早稲田大学東伏見サッカー場だ。
なお、松澤の話によると、同世代のGKの一番星はプロ・アマ含めて三浦龍輝(明治大4年)だという。これは菜入の意見とも合致している。
これから夏が過ぎ、秋風が吹く頃、全国のアカデミーの各カテゴリー最終学年は進路決定の分岐点を迎える。そこには、かつての松澤のように絶望の淵に立たされる若き選手がいるだろう。
僕は、今回の話をまだ見ぬ彼らに贈りたい。厳然たる優劣に直面し、見放されたように感じるかもしれないが、世界はそこだけではないし、道はひとつではない。
無理だと思ったら逃げてもいいけど、決断を他人に委ねてはいけない。自分のボートを漕ぐオールを手放したらダメなんだ。それとね、瀬戸際に追い込まれて苦しくてしょうがないとき、ほんとうに大切なことは君の心が決めるんだよ。
(文中敬称略)
【了】
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