早稲田大進学で好転。インカレ制覇で関東選抜の常連に
2010年の夏、東京ヴェルディユースは東京都サッカートーナメントを制し、天皇杯の東京都代表となる快挙を成し遂げた。国立西が丘サッカー場(味の素フィールド西が丘)で行われた準決勝と決勝、松澤は応援に駆けつけている。
「素直に感動しました。いいなぁ、すげえなぁって。一方、高校での自分はほとんどサブで、何もない状況でした」
流経大柏では、2年のプリンスリーグに数試合出場し、3年の夏のインターハイではゴールマウスに立ったが、最後の高校選手権は再びベンチを温めている。この程度の実績ではJクラブのスカウトから見向きされるはずもない。
不完全燃焼の高校生活を終えた松澤は、スポーツ推薦で早稲田大への進学を決める。このときは年代別代表のキャリアがものをいった。ちょうど早稲田大がGKを最優先で探しており、タイミングにも恵まれた。ここから急激にめぐり合わせが好転する。
「流経大に行く選択肢は早めに消しました。自分を知っている選手が多いチームでは、それまでのイメージを簡単には払しょくできない。GKはそういった面も特に大事なポジションで、信頼度の低さは誰よりも自分がわかっていましたので。
新しい環境で最初にいい印象を持ってもらえれば、一気に変わるはずだと。学校側からのプレッシャーはありましたが、本田(裕一郎)先生(流経大柏監督)は僕の希望を後押ししてくれました」
そうして松澤はルーキーイヤーからAチームに抜擢され、2年次からレギュラーの地歩を固める。2012年、ジェフ千葉の特別指定選手を経験し、暮れの全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)を制覇。その後は関東選抜の常連となった。