厳重管理された書類。フォルランだけが開封できるように
今年12月31日までの1年契約による完全移籍。Jリーグ史上で最高額となる6億円の年俸には、セレッソが部分的に買い取ったフォルランの肖像権への対価も含まれている。
「フォルランをCMなどで起用する場合は、セレッソが広告代理店のような役目を果たすことになります。W杯後の話になりますけれども、ヤンマーのイベントにも複数回出演することも決まっているはずです」
岡野のサインが記された仮契約書は、フォルラン本人がサインをしたためた瞬間に本契約書となる性質を持っていた。ゆえに封筒に入れられ、携わった全員が割り印と割りサインを施し、木村の責任のもとで厳重に管理された。偽造などを防止するためにPDFファイル化してメールでやり取りすることも禁止され、開封して書類を取り出せるのはフォルランだけに限定された。
後にコートジボワール代表としてW杯南アフリカ大会に出場した、FWドゥンビア・セイドゥ(現CSKAモスクワ)の柏レイソル移籍を手がけたことがある木村にとって、フォルラン移籍に関するビジネスは金額、衝撃度の両方で最大規模の仕事だった。
「仮契約書は自分のカバンの中に入れていたんですけれども、それこそ数億円の価値があるものですからね。外を歩くときは脇の下にはさんでいましたし、夜寝るときには枕の下に置いていたほどですから(笑)」
続きは『フットボールサミット第24回』にて、お楽しみ下さい。