U-20W杯の経験は大きな財産。主力不在は言い訳にならない
A代表のアギーレ新監督は年代に関わらず公式戦を優先させる方針を表したが、大会期間中もJリーグは行われており、3大会連続で日本の世界行きを阻んで来た準々決勝(10月17日)の翌日にJ1、翌々日にJ2の試合がある。
ただ、この年代の選手たちが世界大会を経験できるかどうかは4年後のロシアW杯に大きく影響するのは明白だ。
実際に今回のW杯で上位に進出した国の多くが2011年のU-20W杯を経験しており、コロンビアもその1つだった。大会に出た選手の経験はもちろん、そこで外れた選手も悔しさや刺激を得て成長して行く。それがA代表につながっていくのだ。
日本が過去3大会で世界を逃したことが大きな損失であることは言うまでもないが、それぞれの予選で誰々がいなかったというエクスキューズを残してしまっている事実にはやりきれないものがある。
ただ、どういうメンバーで戦うにしても、出る選手たちは自信と自覚を強く持ち、アタッカーは点を取る、ディフェンスは守り切る、そのためにお互いがビジョンを研ぎ澄ませ、それをチームで共有して行くという意識を高めて臨んでほしい。
仮に主力の誰かを何らかの理由で欠いたとしても、例えば「南野君がいないから」という言い訳をミャンマーでは聞きたくないものだ。
思い返せばブラジルW杯のコロンビア代表はファルカオという大エースを欠きながらベスト8に進出し、敗れたブラジル戦も賞賛に値するパフォーマンスを見せた。
U-19のレストレポ監督も「(A代表のFWには)6人ほどの選択肢がある」と主張し、育成の指標としている。「ハメス(・ロドリゲス)を毎年は作れない」と語るが、世代としての層を厚くしているのはコロンビアの強みだろう。
そこには生まれ持った才能もさることながら、高い目標やビジョンを持ってスキルを磨く意識を若い年代から養っている成果ではないだろうか。
U-19アジア選手権を勝ち上がらないことには世界が見えてこないのは事実だが、それぞれの選手がベーシックな部分でビジョンを持ち、共有するという意識を少しでも高めて挑んでほしい。
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