失点増加の浦和は真価が問われる
7試合連続無失点という偉大な記録を打ち立てた浦和レッズだが、ここ3試合は不安定な試合が続いている。2分1敗と勝利がなく、リードを奪いながらも守りきれないのだ。
18節・ヴィッセル神戸戦では先制するも逆転を許す苦しい展開。後半アディショナルタイムにDF那須大亮の得点で追いついたが、らしくない試合運びをしてしまった。続く川崎フロンターレ戦も、試合開始早々にMF梅崎司がネットを揺らしながら逆転負けを喫した。
17節・鹿島アントラーズ戦で連続無失点記録が途絶えると、翌節から複数得点を奪われている。記録が偉大であるからこそ、失点の増加は気になる要素だった。
しかも今節は那須が出場停止で出られない状況。サンフレッチェ広島相手に公式戦5連勝中とはいえ、守備の要を一人欠いた浦和にとっては真価が問われる試合となった。
互いに同じシステムを採用しており、ピッチの至る所でマッチアップが見られるが、広島が守備を優先したことで浦和がボールを持つ時間が長かった。
広島の守備意識は徹底されており、相手がハーフウェイラインを超えるまでほとんどプレスに行かず、浦和が焦れて強引な縦パスを入れてくるのを待ち構えているようだった。
その徹底ぶりは相当なものだった。前半途中には全くプレスに来ない広島に対し、最終ラインでボールを持った浦和のDF槙野智章が「来いよ」とばかりに両手で煽ったほど。
広島としては狙い通りで、森保一監督も「今日まで準備してきたことを徹底してくれた」と、選手たちを称えた。だからこそスコアレスで後半に向かいたかったはずだが、浦和がセットプレーから先制に成功した。広島はこれまでも浦和にセットプレーから決められており、注意していた形から得点を許した。
浦和はリードこそしたが、最近の結果を考えれば安心はできない。後半に入ると広島はギアを上げて攻撃を仕掛けてきたが、この日の浦和は崩れなかった。
同じシステムを採用し、ミラーゲームとなる中で、マッチアップの際に力強さを発揮したのは浦和の面々だ。球際の激しさで相手を上回り、攻勢に出る広島のチャンスを潰した。