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マンUが失った大切なもの。指揮官に求められる“勝者のメンタリティー”の再起。香川はシグルズソンの笑顔に何を思う?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

試合を決めたシグルズソン。トッテナムで定位置掴めず古巣復帰

 ただ、それ以降はイマイチ。プレシーズンで見せていたルーニー、マタ、エレーラ、キャリックのパスワークは試合を通して一度もなく、トップ下でフル出場したマタは全く印象に残らなかった。

 さらに、得意なウイングにポジションを移したヤヌザイが後半のパフォーマンス・スコアで前半よりも悪い-28点を記録するなど、低調なパフォーマンスに終始。ルーニーが孤軍奮闘する昨季と全く同様の光景が広がっていた。

 そして、決勝点を奪ったのは誰よりも燃えていた男、ギルフィ・シグルズソンだった。

 前半にはキ・ソンヨンの先制ゴールをお膳立てして1ゴール1アシストを記録したシグルズソンは、11-12シーズンの冬の移籍市場でホッフェンハイムからプレミア昇格1年目だったスウォンジーにレンタルで加入。

 当時チームを率いていたブレンダン・ロジャース監督(現リヴァプール)の下、わずか18試合で7ゴールを挙げるなど、一気のその名を轟かせた。

 翌12-13シーズンには、一度はスウォンジーへの完全移籍が決定と報じられるも、ロジャース監督がリヴァプールへ移籍したことで後を追うことが決定的とされた。

 しかし、一転してトッテナムへ移籍。移籍初年度は33試合に出場するも先発は12試合で3得点。翌13-14シーズンも出場25試合中先発は14試合で5得点と定位置を掴むことが出来なかった。

 そして今シーズン、自らが最も輝きを放ったクラブへ完全移籍で復帰。キャリアを取り戻す決意に燃えるシーズンの開幕戦だけにモチベーションも一段と高かったはず。この試合の活躍ぶりを見ても、このアイスランド代表は今シーズン注目の選手の一人となるだろう。

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