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チーム大幅入れ替えのサウサンプトン。定位置奪回へ、吉田に求められる「リーダーシップ」と「集中力」の向上

text by 山中忍 photo by Getty Images

堅守の軸はロブレンではなくワニアマ。強豪の触手伸びず

 サウサンプトンは、2012-13シーズンの後半戦19試合を計23失点で乗り切っている。4バックの中央はベテランのジョゼ・フォンテと移籍1年目だった吉田麻也のコンビ。降格回避の立役者の1人として、日本人CBの名前を挙げるファンも少なくはなかった。

 翌2013-14シーズンの正CBは、吉田から定位置を奪ったロブレンとフォンテのコンビ。同じ後半戦19試合では26失点を喫している。うち計7失点の5試合は怪我でロブレンを欠いていた。と言えば、代役を務めた吉田が至らなかったように聞こえるが、吉田自身の出来は及第点以上だった。

 第1CBの不在以上に響いたのは、やはり昨夏に加入した正ボランチ、ビクター・ワニアマの負傷欠場。事実、チームが昨季の特徴だった堅守色を取り戻したのは、ロブレンが復帰した3月頭ではなく、ワニアマが先発レギュラーに戻った4月後半だった。

 つまり、昨季のロブレンは、守備力向上の「触媒」ではあっても、絶対的な要素ではなかった。

 幸い、ワニアマには強豪の触手が伸びていない。昨季、ダブルボランチの相棒だったモルガン・シュナイデルランは、トッテナムにヘッドハントされたマウリシオ・ポチェッティーノ前監督との再会が叶う可能性もある。

 だが、クーマンは、攻守万能なサフィル・テデールという代役を獲得済み。新監督が、持ち駒の特長からしても妥当な3センターを基本とするのであれば、ワニアマの両サイドに、テデールとハードワークが光る昨季の影の功労者、スティーブン・デイビスという顔ぶれは、最終ラインの盾としては悪くない。

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