メディアも危惧する「ロブレンの穴」。CBの新戦力とは?
8月14日、サウサンプトンはフローリン・ガルドス獲得を発表した。ルーマニア代表CBは、リヴァプールに引き抜かれたデヤン・ロブレンの後釜。国内メディアは、「17日のプレミアリーグ開幕戦に滑り込みセーフ」とステアウア・ブカレストからの移籍を伝えた。
もっとも、冷静に考えれば「滑り込み」の是非は微妙だ。新監督のロナルド・クーマンにすれば、自身が見立てた新戦力を使いたいのは当たり前。しかし、ガルドスの持ち場は意思の疎通が重要な最終ライン中央だ。ぶつけ本番に近いデビューが賢明とは言い難い。一線級の新戦力であれば話は別かもしれない。
だが、昨季CLグループステージでのチェルシー戦2試合を見た限り、計5失点の最終ライン中央にいた25歳は、194センチの長身が目を引いても存在感は希薄。2試合とも10点満点中6点の評価が限界の出来だった。
にもかかわらず「開幕に間に合うか?」と騒がれたのは、「ロブレンの穴」が致命傷になりかねないと理解されているからだろう。サウサンプトンには、ロブレン加入前の一昨季、最終的には14位につけたが、開幕から失点を重ねて「降格候補筆頭」と言われた過去がある。
ロブレンが、続く昇格2年目の8位に大きく貢献したことも事実。昨季プレミアの「優良新戦力」の1人は、リーダーシップを発揮して最終ラインを統率しつつ、力強く敵の攻撃を食い止め、奪ったボールを効果的に繋いだ。
但し、ロブレンの加入だけが、前年には60失点だった守備力を、46失点のトップ6並みに豹変させた訳ではない。改善の兆しは、その半年ほど前から窺えた。