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Jリーグ 10年前

金銭問題? スポンサーの“嫌韓”? 韓国でも大きな衝撃を与えた鳥栖のユン前監督解任劇。決別の真相は未だ謎のまま

text by 呉承鎬 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「一番説得力がある」。金銭問題を理由に挙げる韓国メディアも

 そうなると、やはり年俸の問題だろうか。ユン前監督の年俸は、推定2000万円。Jリーグ監督の平均年俸が5000万円と言われているため、半額以下ということになる。結果を出しているだけに、ユン前監督がより好条件を求めるのは当然であるが、その交渉に折り合いがつかなかったと考えるのが自然だ。

 韓国メディアも金銭問題を理由に挙げている記事は少なくなく、例えば『イルガン・スポーツ』は、「クラブの経営陣が交代する過程で、ユン監督が犠牲になったという分析が、一番説得力がある」と強調。

「鳥栖は1部リーグに昇格して、様々なスポンサーがついた。現在の経営陣の代表である竹原稔社長も、2012年の昇格とともに巨額を投資して選任された。ユン監督と信頼関係のあった以前の経営陣と違って、新経営陣はユン監督としばしば激突した」と報じている。

 同じく『Nocut News』も、「小規模クラブの立場で、支出規模を増やすことに限界があるというのが、鳥栖がユン監督と決別を選択した理由だ」とし、「鳥栖が現在の成績をキープした場合、AFCチャンピオンズリーグに出場しなければならないなど、金銭的な支出がさらに多くなる。それを憂慮して、ユン監督と再契約を放棄したと考えられる」と分析した。

 当のユン前監督は、『スポーツ東亜』との電話取材で、「いろいろな問題について、率直に対話をしてきた。結果的にはこのように(解任で)決定されたが、かなり以前から協議をしてきた」と答えているが、やはり真相は語っていない。

 もし、彼が金銭的な条件の問題でチームを後にしたのであれば、話はある種の普遍性を持つことにもなる。プロとして、「試合に勝つ」という結果を残せばいいわけではないという反証にもなるからだ。

 いずれにせよ、ユン前監督の前代未聞の解任劇は、韓国にも大きな衝撃を与えたことだけは間違いない。

【了】

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