韓国では“嫌韓”を指摘する声も、憶測の域を出ず
ユン・ジョンファン監督の突然の解任から4日後の8月11日、サガン鳥栖はサンフレッチェ広島と対戦し、0-1で敗れた。鳥栖にとって広島は、J1、J2で12回戦い、1勝しかしていない苦手な相手であったものの、監督交代の影響がなかったとは言い切れないだろう。
リーグ首位を走る監督の解任という前例のない事態は、ユン前監督の本国・韓国でも大きく報道されている。
まず、解任の理由として報じられたのは、「ユン・ジョンファン、リオ五輪の代表監督に内定」という報道だ。
しかし、大韓サッカー協会(KFA)はきっぱりと否定。『sportalkorea』は、「8月12日、協会関係者は『ユン・ジョンファン監督は、オリンピック代表チームと関係がない。あさってに仁川アジア大会のメンバー発表があるのに、そんな報道が出ると代表チームが動揺する』と不満をもらした」と伝えた。
韓国メディアが他にも推測したのは、ユン前監督が韓国人であるという点だ。引き合いに出されたのは、中国・広州恒大のイ・ジャンス元監督。イ元監督は、2010年に広州恒大を1部リーグに昇格させ、翌年には1部リーグを初制覇した。しかし、12年に解任。
『スポーツ・ソウル』は、「特別な理由もなしにイ・ジャンス監督は追い出された。クラブのブランド価値が上がったから韓国人監督を解任したという指摘を受けた」と報じている。広州恒大は後任に、前イタリア代表監督のマルチェロ・リッピを招聘しており、その後の活躍はリーグ3連覇など周知の通りだ。
同メディアは、そんなイ・ジャンス監督の例を挙げながら、「鳥栖がJリーグの人気チームとして注目されたため、大企業がスポンサー契約を提案したという話も聞こえる。ところが、その企業は、日本でも有名な保守勢力の軸に挙げられている。スポンサーに乗り出す代わりに、韓国人監督に対する否定的な立場を示したという噂も飛び交っている」などとしている。
ひと言で“嫌韓”というわけだが、あくまで憶測の域を出ない。