バルブエナ移籍も、攻撃は活性化
オフシーズンの強化試合は、5試合で4勝1分と無敗。5試合の平均が3得点と、オフェンスはすでに機能している。
主砲のジニャックが好調な上に、A代表入り直前に靭帯を負傷したものの、将来を嘱望されていた攻撃的MFアレッサンドリーニが新たに加わり、彼をウィングで起用することでパイエットをセカンドストライカー的に使うオプションも奏功している。
アンドレ・アィエウには移籍の噂が絶えないが、バルブエナの離脱も含めて、マンネリ化していた攻撃ラインは活性化した感がある。
また、トーバン、レミーナら、2013年のU-20世界選手権優勝チームメンバーや、同じ年にU19欧州選手権で準優勝したメンディら、これからのフランスサッカー界を背負って立つ若手を大挙して抱えている点も強味だ。
彼らは少しでも良いプレーをして世界にアピールしたい、という意欲に満ちている。そんなフレッシュな若手の存在は、チームを活気づかせる。
PSGは、ダビド・ルイスが加わった以外は昨季のプレースタイルを継続し、大きなサプライズはない。モナコやリヨンも監督は変わったが、チームは現状維持傾向にある。その中で、ひとり改革をやってのけようとしているのがビエルサだ。
2戦目以降も同じシステムを続ける気がどうかはわからないが、今後も、思いついたアイデアを積極的に実践で試していくのは間違いない。これまでも、アルゼンチン代表では2004年の五輪優勝、アスレティック・ビルバオでもEL準優勝と、率いたチームでは、何かしらの結果は残している。そんな猛将なら、勝算のない賭けはしないはずだ。
ビエルサ率いるマルセイユは、あらゆる意味で注目を集める、今季のリーグアンの革命児となることだろう。
【了】
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