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日本代表 10年前

スラング多用、スター選手の重用なし、明確なメディア対応。スペイン在住記者が迫るアギーレ監督の実像

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta , Asuka Kudo / Football Channel

スター選手へのひいきはなし!

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日本代表には、サプライズが待ち構えていることだろう【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 だが、もっと興味深い点は、選手の起用法だろう。アギーレは、メキシコ代表を率いていた時に、地元メディアや代表サポーターから多くの非難を浴びることになった。それは、いわゆる“スター選手”へのひいきがなかったからだ。

 ちょっとくらい調子が悪くても、信頼を置いている選手に賭ける監督はいる。だが、アギーレはそうではない。練習で最善を尽くす選手、“スター選手”のポジションに甘えない選手、個人プレーよりチームプレーを重視する選手、そして体調をきちんと試合に合わせてきた選手を報償としてピッチに送る。

 また、優柔不断な態度も嫌う。日本的な「以心伝心」や「目は口ほどにものを言う」などといった態度では、アギーレの信頼を勝ち取ることはできないだろう。

 メディア対応に関しては、この10年間でだいぶ変化している。以前は、メディアに近しい監督だったが、現在は公私をはっきりと分ける傾向にある。ペップ・グアルディオラのスタイルだ。

 つまり、試合前後の記者会見ではいくらでもあらゆる質問に答えるが、その反面、個人インタビューなどは一切出さない、ピッチを離れたらチームにも深く関与しない、といった姿勢をみせている。

 ただし、今回は、初めてアジアで率いるという要素もあり、欧州でやってきたように、そこまでアギーレ監督が強気に出るかどうかは、蓋をあけてみないとわからない。いろんな意味で、日本代表には、サプライズが待ち構えていることだろう。

【了】

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