多士済々の青赤軍団
ハビエル・アギーレ監督は激情的な性格とされる。
映画『アギーレ、神の怒り』でアマゾン分遣隊の副隊長の任にありながら勝手にジャングルを突き進んだ主人公ドン・ロペ・デ・アギーレのように、日本サッカー協会の思惑を離れて我が道を往く可能性がないでもない。フォーメーションだって何を採用するかわからない。
まして一介のフリーランスジャーナリストが何を言ったところで彼が聞く耳を持つだろうか。自分にできる作業と言えば、日頃観察しているFC東京から、日本代表にふさわしい能力の持ち主を推薦することくらいだ。
とはいえ、これが難しい。
既に代表に選出されて久しい権田修一、森重真人、高橋秀人、昨年の東アジアカップで活躍した徳永悠平だけでなく、いまの東京には代表に推薦したい選手がたくさんいる。マッシモ・フィッカデンティ監督が常々言うように「若い選手や昨年まで出場機会の少なかった選手」を多く起用しているおかげで、選手層が厚くなっているからだ。
左足のクロスと直接FKに絶大な自信を持つ太田宏介。マスチェラーノなにするものぞ、のボール奪取が光る米本拓司。最後の精度がおぼつかないがとにかくフィニッシュまでドリブルで突っ切る武藤嘉紀。復活の大砲、動きが機敏すぎて違和感があるほどの平山相太。強烈な左足でゴールを奪う三田啓貴。すっかり故障が癒え、強さと高さで確実に防波堤となる吉本一謙。……挙げていくとキリがない。
そんな多士済々の青赤軍団から、あえて河野広貴を選んでみたい。「トップ下がある3バックなら使ってもらえるかも」という弱腰の計算で申し上げているのではない。前述のとおり、アギーレがどんなフォーメーションを採用するかはわからない。ただ、能力の点で、彼をチームに加えたら面白いのではないか、と思うだけだ。
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