「相手がでかいのに、そんなので勝てる訳ない」
サイドで起点を作りながら、最後は中で崩していくのが日本の目指す攻撃だったはずだ。だが、この大会では起点がサイドでも中でもなく、結局はサイドからのクロスが攻撃の頼みの手段になってしまっていた。コロンビア戦における日本の唯一の得点はクロスからの岡崎が得意のダイビングヘッドで決めた形で、それ以外の攻撃の多くは跳ね返されている。
日本のシュートの大半は、ペナルティエリアの外から打ったものだ。もちろん、ミドルシュートは大事だが、仕掛けて行かなければいけない状況や相手のブロックがある状況で、可能性の低いシュートをただ選択してしまっている場面も多い。
「ペナルティエリアの中で崩せていないというか、そこまで来ているのにサイドに行ってしまうのが原因。相手がでかいのに、そんなので勝てる訳ない。そこからワンツーとかがあってもいいのかな、とすごく感じました」
そう語る大久保自身も1トップとして味方との効果的なパスやコンビネーションを引き出せなかった責任はある。コロンビアは組み立てこそシンプルだが、バイタルエリアを鋭く突いて日本のディフェンスを脅かした。
ジャクソン・マルティネスとアドリアン・ラモスというヘディングの強い選手を二人配置しているにも関わらず、だ。途中出場のハメス・ロドリゲスがボランチの間を突き、マルティネスのフィニッシュを演出した2点目はまさに効果的な攻撃として象徴的だった。
「(コロンビアは)中に入っていって、そこから前に出てきますからね。中に来たらこっちも怖いし、実際それでやられていますしね。今大会はそこに尽きると思います」と大久保は語った。
つまりこれを言い換えるとそれを自分たちがもっとそれを出来れば、危険な場面を作り出せたはずだということなのだ。