プレスを上手くかわしてきたラヌス
昨年のヤマザキナビスコカップ王者の柏レイソルと、コパ・トタル・スダメリカーナを制したラヌスが対峙したスルガ銀行チャンピオンシップは、柏が苦戦を強いられながらも試合終了間際のPKで勝ち越しに成功、そのリードを守り切って初優勝を飾った。
ラヌスにはアルゼンチンのクラブらしく独特のリズムがあった。柏は、2011年のFIFAクラブワールドカップ(FCWC)、一昨年と昨年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と、ここ数年で多くの国際経験を積んできたが、アルゼンチンのクラブとの対戦は今回が初めて。
工藤壮人は「止めて蹴る、そういう基本的な動作が他の国とはテンポが違う。寄せた時も、ACLでは相手のボールをつつくことができたのに、ラヌスの選手はリーチが長いのでかわしてきた」と違いを振り返った。
このラヌス戦直前のJ1第18節で、柏は川崎フロンターレと対戦している。戦前、ネルシーニョ監督が「川崎とラヌスは戦い方が似ている」と分析していたこともあり、4-1で快勝を収めた川崎戦と同じメンバー、同じシステムでラヌスとの一戦に臨んだ。
ところが、コンパクトな陣形で川崎のパスワークを封じつつ、明確な取りどころを見出して優勢に試合を進めた週末の試合とは異なり、柏のプレスはラヌスに外されるケースが目立っていた。
川崎戦では追い込むことができた間合いも、ラヌスにはあっさりとその逆を取られる。工藤によれば「ACLやJリーグなら、体をぶつけられるタイミングでも、ラヌスはそこをかわしてくる」とのこと。