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日本代表 10年前

ザックジャパンとは何だったのか? 指揮官の過失と問われる4年間の積み重ね

text by 神谷正明 photo by Getty Images

コンフェデで露呈した世界強豪国との大きな差

ザックジャパンとは何だったのか? 指揮官の過失と問われる4年間の積み重ね
ザックジャパンは実力差をまざまざと見せつけられ、何もできないまま敗れた【写真:Getty Images】

 だが、今回は明らかに違った。コンフェデ当時のブラジルは、メディアから戦いぶりについて批判を受けており、また地元開催の大会という背景もあって、立ち上がりから攻勢をかけてきた。

 ザックジャパンは実力差をまざまざと見せつけられ、何もできないまま敗れたのである。試合後の選手たちは、これまで見たことがないほどの落ち込みようだった。香川は「しっかりと気持ちを持って挑んだ試合でこれくらいの差があるのかと思うと、すごく悔しいというよりは残念な気持ちでいっぱい」と茫然自失の状態だった。

 イタリア戦ではアグレッシブな姿勢で挑み、派手なシュートの打ち合いを演じるも3対4、メキシコにも試合巧者ぶりを見せつけられて1対2の黒星。世界との差は縮まったという自信を持って臨んだザックジャパンは、強豪国との対戦で3戦全敗とまったく結果を残せなかった。香川が「日本らしく、しっかり負けた」と自嘲気味に吐き捨てたのが印象に残っている。

 指揮官は戦力の底上げを図るべく、東アジア杯で豊田陽平、工藤壮人、柿谷曜一朗、青山敏弘、齋藤学、山口蛍など一気に10人もの代表初招集となる選手(合宿のみを除く)を呼び、森重や大迫勇也といった代表に馴染みのない顔ぶれも揃えた。

 新戦力候補を大量に呼んでふるいにかけ、最終的には柿谷、青山、齋藤、山口、大迫、森重の6人がW杯メンバーに名を連ねたのだから、成果はあったと言えるかもしれない。

 ただ、彼らがフル代表として実戦経験を積めた舞台は親善試合ばかり。真剣勝負の緊張感に触れることなく、いきなりW杯の大舞台への挑戦を強いられた。W杯予選やコンフェデで既存戦力との融合を図る機会を設けられなかったのは、指揮官の落ち度と言っていいだろう。

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