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本田圭佑 10年前

本田、生き残るための最低条件は「右WGならサイドの守備、左インサイドなら攻守両面の運動量」。そして自らをアピールせよ

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

攻撃の軸が不在のミラン。本田はそこにつけ込めるかがカギ

本田、生き残るための最低条件は「右WGならサイドの守備、左インサイドなら攻守両面の運動量」。そして自らをアピールせよ
フェリッポ・インザーギ監督【写真:Getty Images】

 一方左インサイドMFについてだが、こちらは地元記者から「右ウイングよりかは合っているんじゃないか」という話を聞かされる。確かに試合を見ていれば納得は行く。

『左ボランチ』とも定義されるポジションでだが、それほど守備に縛られる様子もない。サポナーラやポーリはどんどん前に入り、時にはFWを追い越す自由も保障されていた。

 ただインザーギは、少なくともICCでは本田をこの位置ではプレイさせなかった。当然、そのための理由はあると解釈出来る。守備寄りではないとはいえ、やはり攻守両面で走れる運動量は必要。チームはカウンターを喰らい放題の状態だったから、本田は余計に使えなかったのかも知れない。

 もっともチームは、このポジションにも決定的な存在を見いだせていない。インザーギ監督はサポナーラを、R.マドリーのディ・マリアのイメージでプレイさせようとしているが、機能するまではまだ時間が掛かりそうである。

 現在ミランでは、連係の軸となって攻撃を回して行く人物が不在だ。FWを見ても、左ではエル・シャラウィがドリブル突破以外に形を作り切れておらず「昨季ろくにプレイ出来ていなかったのでまだ時間が必要」とインザーギ監督も語る。右ではメネズが故障し、まだウイングを物色中。

 本田はここにつけ込み、自らをアピールして行くより他に生きる道はない。もちろん右ウイングならサイドの守備、左インサイドなら攻守両面の運動量と、それぞれのポジションをこなすための条件をクリアした上でだ。それが出来なければいよいよ、ミランで活躍する道は時間の経過とともに狭まれることになる。

【了】

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