苦難の本田。ICC3試合でゴールはおろかシュートもろくになし
インターナショナル・チャンピオンズカップ(ICC)で醜態をさらしたミランだったが、この結果については冷静に見るべき面がある。
マンチェスター・シティやリヴァプールとの戦力差が大きくなっていることは事実とはいえ、開幕が2週間早い彼らには走り負けるのも当然。かつ監督がインザーギになって間もなく、チームを作り直している最中では勝負にならないのも当たり前だ。
あくまでプレシーズン、注視すべきは内容である。ただ、その内容にこそいろいろ不安要素が現れていたことはさすがに無視出来ない。
カウンターをあっさりと喰らい続けた組織守備のまずさもそうだし、攻撃においては連係も成り立たず、「結局はエル・シャラウィとニアングの個人技頼りになっていた」と地元紙は報じていた。これは前回のコラムでもお伝えした通りである。
そしてその機能不全というところには、本田も関わってしまっている。3試合でゴールはおろかシュートもろくになく、結果的にはアシストもゼロだ。
そもそもプレイの幅があまり広いとはいえず、昨季は右サイドの対応も守備以外は上手く行かなかった彼に、4-3-3の中でこなせるポジションというのはあるのだろうか?
「本田は右FWか左のインサイドMFと考えている」とインザーギ監督は言っていたが、果たして彼に居場所はあるのか。練習試合をある程度経た今、可能性を改めて探ることにしたい。
まずは右FWだが、ICCでの起用はすべてこの位置。そして前述の通り、結果は出せなかった。相変わらず中へ、中へと一辺倒に寄ろうとするし、右SBの上がり易いスペースは作っても、サイドで連係を築くことは疎かになっていた。
そうかといって、自分からサイドのスペースに飛び出して突破を仕掛けるタイプではないし、そのスピードも持ち合わせてはいない。