クラブやファンにとっては“悪徳”でも、選手にとっては“敏腕”
さらに、マンガラはすでにポルトがマンチェスター・シティと約4000万ユーロ(約55億円)で合意していると報じられており、ディ・マリアはPSGがハメス・ロドリゲスと同額の約8000万ユーロで獲得に迫っているという報道がある。
この移籍が実現すれば合計で2億5600万ユーロ(約352億6240万円)なので、この金額の28%となると、7168万ユーロ(約98億7300万円)ということになる。わずか一夏で100億円近い利益を得ようものなら笑いが止まらないだろう。
また、昨夏にはともにモナコへ移籍したハメス・ロドリゲスとラダメル・ファルカオを筆頭に計5選手でおよそ1億1950万ユーロ(約164億6400円)の移籍金をクラブに支払わせているため、3346万ユーロ(約46億1000万円)もの仲介定数料を得ている可能性が高い。
しかも、代理人には移籍金だけではなく選手の年俸からも10%前後のマージンが発生しているため、これを含めればさらに額が跳ね上がる。
当該クラブのファンにとっては、わずか1シーズンでモナコからマドリーへ移籍したハメス・ロドリゲスのようにあっさりと中心選手を売り捌かれたり、身銭を切って購入したチケット代やグッズ代が代理人の懐に入っていく状況は腑に落ちないものだ。
それでも、ハメス・ロドリゲスが「マドリーでのプレーは夢だった」と語るように、選手が希望する環境を与えているのも事実。代理人がいなくなれば選手が夢を叶える機会が大幅に減るだろう。
クラブやファンにとっては“悪徳”でも、選手にとっては“敏腕”。善も悪も表裏一体で、時には“必要悪”とも言える代理人の存在感は今後も高まっていきそうだ。
(移籍金の金額はTransfer Market調べ、移籍情報は2014年8月4日時点)
【了】
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