軽視できないヨーロッパリーグ。UEFAランキングにも影響
そして、イタリア勢にとってヨーロッパリーグの成績は重要だ。現実的に考えて、バルセロナやレアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、チェルシーと比べれば戦力的に劣っていると言わざるを得ない。
もちろん、勝負に絶対はなく、組み合わせの運次第では上位に進出出来る可能性もあるが、現状ではベスト8進出なら大成功と言える。しかし、ヨーロッパリーグであれば話は別。ユヴェントスもローマもナポリも優勝できる力を十分に持っており、フィオレンティーナやインテルも上位を狙えるはずだ。
何よりも、ポルトガルがイタリアをかわして4位浮上したのはヨーロッパリーグの成績によるもの。ここ5シーズンで優勝こそ10-11シーズンのポルトのみだが、その決勝はブラガとの同国対決だった。さらに、12-13、13-14の2シーズン連続でベンフィカが決勝進出を果たしている。
実際、前述の通りセリエAが“最強”と言われていた80年代後半?90年代にかけては、88-89ナポリ、89-90ユヴェントス、90-91インテル、92-93ユヴェントス、93-94インテル、94-95パルマ、97-98インテル、98-99パルマと11シーズンで8度もUEFAカップ(当時)を制している。
ところが、98-99シーズンにパルマが優勝して以来、セリエA勢は決勝進出を果たせずにいる。
確かに、ヨーロッパリーグと国内リーグを並行して戦うことは日程の面でも難しい。チャンピオンズリーグに比べて格も注目度も落ちる大会でもある。さらに、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン元監督はかつて「失敗したチームに対する罰だ」と言い放ったこともある。
賞金の面でも11-12シーズンのヨーロッパリーグ王者アトレティコ・マドリーが1050万ユーロ(約10億円)だったのに対して、12-13シーズンにチャンピオンズリーグを制したバイエルンが5504万6000ユーロ(約71億6000万円)を獲得しているため、大きな差がある。