日本サッカー協会は31日、JFA技術委員会を開催した。W杯でのグループリーグ敗退を受けて将来的な強化策を話し合った。委員会終了後には記者ブリーフィングが行われた。
技術委員会に参加した上川徹審判委員長は、W杯を受けて今後レフェリーに何が必要かを説明。
「今回のW杯は展開が大きくて速かった。それに対してレフェリーは高いフィジカル能力を有していたと思う。試合開始から90分、延長戦も含めて、その展開についてくだけのフィジカルを持っていた」
だが、フィジカルだけでは十分ではないという。
「そのチームの戦術をしっかり理解しておかないと、次のプレーは読めない。サッカーの戦術をもっと理解していく必要がある」
最後まで入り抜くフィジカルと戦術眼を併せ持つ。これだけ見ると、もはや世界トップクラスの選手たちと同じ能力を持っているとも言える
また上川氏はブラジルW杯では、判定基準に対して一貫性に欠ける試合もあったと見ている。だがそういう状況でも、試合の中でいち早く適応した選手たちのことを賞賛する。
「選手もアピールはするけど、すぐに気持ちを切り替えていた。どんどんプレーを続けていく、あるいはレフェリーの基準に合わせてプレーを選択していた。そういう逞しさを感じた」
もちろん、試合中には明らかなファウルで危険なプレーもあるだろう。すべての接触プレーを流していては、選手たちの怪我のリスクも高まる。
「接触プレーに対して更に的確な見極めが必要になる。その中でも危険な行為があればしっかりと選手の安全を守る。そこの見極めを更に高めていかなければならない」と、上川氏は言う。決して楽な作業ではないが、試合をより面白いものにするためには、選手たちの奮闘だけでなくレフェリーの力もますます重要になってくる。
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