まだまだ枯れることのないドイツの井戸
3人目が、エヴィン・レツネリ。こちらもレバークーゼン所属の18歳で、元西ドイツ代表ウーヴェ・ゼーラーの孫である。ビルト誌は「次のケディラ」として、「全てを兼ね備えたミッドフィールダーになれるだろう!」と見ている。
4人目に、マーク・ステンデラ。シュトゥットガルト所属の18歳である。今大会のドイツ代表では中盤の要となる。
そして最後、ニクラス・シュターク。ニュルンベルグ所属の19歳は、「重要なディフェダー」「DFB(ドイツサッカー連盟)の傑出した長期計画ではフンメルス・タイプ」とされている。
この5人の中で一番の注目株は、ユリアン・ブラントになるだろう。ビルト誌も写真付きで紹介している。
他にもU-19の年代で言うと、シュトゥットガルトのヴェルナー、シャルケのマイヤー、ゴレツカはこの大会には参加していない。
こうして、U-19欧州選手権をめぐるドイツサッカーの状況を眺めれば、ブラジルの地で獲得した「4度目の世界王者のタイトルは決して空前絶後の歴史ではなく、本当の意味で世界のトップへと至る長い道程の第一歩に過ぎない」のかもしれない。
2000年代初頭に端を発する育成改革の成果は、ブラジルW杯で結実してしまった訳ではないのである。世界王者ドイツの井戸は、まだまだ枯れることはないようだ。
【了】
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