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Jリーグ 10年前

まさかの低迷セレッソ、新監督はドイツ生まれのイタリア人。ポゼッションからプレッシングへ、対極なサッカーへの変化で再浮上なるか

text by 桑村健太 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

試練の時を迎えるセレッソ。新監督の下、再浮上できるか

まさかの低迷セレッソ、新監督はドイツ生まれのイタリア人。ポゼッションからプレッシングへ、対極なサッカーへの変化で再浮上なるか
『史上最攻 ~時は、来た。~』をスローガンに銘打った今シーズン

 ペッツァイオリ監督が目指すサッカーは、選手起用にも強く反映されている。特に顕著であるのは、この6月に新加入したキム・ソンジュンと平野甲斐が再開後のJ1で先発起用される機会が増えているということだ。

 セレッソ大阪の2列目といえば、これまで香川真司や乾貴士、清武弘嗣、キム・ボギョンといった技術とスピードを兼ね備えたアタッカーが務めてきた。

 しかし、ペッツァイオリ監督が起用にこだわっているのは献身的にチームに尽くせるタイプ。特に前線からの激しいプレッシングはこのチームの新たなスタイルであり、前線からのプレッシングがハマる回数も試合を重ねるごとに増えている。

 この5試合だけを見ても、ペッツァイオリ監督が目指す形の片鱗のようなものは窺うことができ、「今の状況で上位を目指すのは難しい。まずは相手をゼロで抑えることを心がけたい」と今後の抱負を述べている。

 私自身、セレッソ大阪は今が耐え時だと感じている。その理由はいたってシンプルで、ペッツァイオリ監督の就任からまだ日が浅いからだ。昨シーズン、J1で優勝争いを演じたあの縦に速いサッカーですら、熟成までに半年近くの月を要したのだ。

 キャプテンの山口も「やっていることは間違っていない」と太鼓判を押し、試合後、選手たちからも肯定的な意見をよく耳にする。やはりある程度の継続性が必要だろう。

 また、練習メニューやメンバー構成も前監督のものとは全く異なり、いわば対極にあるサッカーを志向している。

 前節の鳥栖戦の後半ではフォルランを2列目に下げ、中盤後方まで一度下りてゲームメイクを行うというオプションを試した。これが比較的機能しており、今後もこういったプランを随時テストする可能性もあるはずだ。

 チームは今、熟成期にある。しかし、それでいて結果を求められるのがプロの世界というものだ。セレッソ大阪にとっての8月と9月は、川崎や広島、神戸、G大阪、浦和といった強豪との戦いを控える大事な期間になる。

『史上最攻 ~時は、来た。~』をスローガンに銘打った今シーズン、このままで終わるわけにはいかない。

【了】

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