開幕前の期待はどこへ? セレッソ大阪を襲った“変化”の数々
セレッソ大阪がなんだかおかしい。
昨シーズンの勢いはどこに行ったのだろう。開幕前の期待は着実に失望へと変わり始めている。前節の鳥栖戦の試合後、ゴール裏からついに大ブーイングが発生した。
記者席のすぐ横にいたとある男性の行動がとても印象的だった。そのファンはなかなか結果が出ないチームに対し、周囲もびっくりするような声量で辛辣な言葉を浴びせていた。
もちろん、メインスタンド後方からではそんな声も選手の耳に届くはずがない。しかし、ただ叫ぶことしかできないそのモヤモヤ感だけは、胸が痛くなるほどこちらまで伝わってきた。
セレッソ大阪は今、J1の順位表で15位にいる。これは降格圏ギリギリの順位ではあるが、16位甲府と勝ち点は同じ。昨シーズンに喫した7敗にこの時点ですでに並んでおり、今後の結果次第では降格候補の筆頭に挙げられる可能性すらある。いったい今、セレッソ大阪に何が起きているのだろうか。
セレッソ大阪が直面するのは、“変化”の連続である。レヴィー・クルピ監督の退団にともない、セレッソ大阪は昨年末にランコ・ポポヴィッチ監督を招聘した。
Jリーグの中でも特にポゼッション志向の強い監督で、昨シーズンの必勝パターンでもあったショートカウンターを一旦封印し、自分たちでボールを動かす新たなスタイルにシフトチェンジ。
3シーズンぶりとなるACLへの出場、ディエゴ・フォルランの加入、さらには山口蛍のキャプテン就任というフレッシュなニュースも相次いだせいか、誰もが明るい未来を予想していた。
しかし、ポポヴィッチ政権は長続きしなかった。W杯の中断期間中である6月9日、成績不振のためクラブから契約解除が発表され、直後には新監督が就任。さらにはJ1の中断明けとともに柿谷曜一朗のバーゼル移籍も公になるなど、変化という変化がセレッソ大阪を襲う。