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【独占インタビュー】アルゼンチンサッカー協会グロンドーナ会長「私が日本のコパ・アメリカ辞退に反対した理由」

text by 藤坂ガルシア千鶴 photo by Javier Garcia Martino

このような時だからこそ日本の皆さんに来てもらいたいのだと伝えたかった

――日本サッカー協会の小倉会長はまず南米サッカー連盟まで出向き、辞退の意向を伝えましたね。その直後にアルゼンチンに来て、あなたから辞退の見直しを促されました。あの会合はどなたのアイデアで実現したのですか?

「私からセニョール・オグラに、帰国する前にアルゼンチンに寄って欲しいと誘った。アルゼンチンを始めとする南米諸国は、このような時だからこそ日本の皆さんに来てもらいたいのだと伝えたかった。

 そこで私は、南米サッカー連盟を通じて、日本代表選手が所属する欧州の各クラブに選手の貸し出しを許可してもらえるよう出来る限りの範囲で働きかける約束をして、すぐにブラッター(FIFA会長)ともコンタクトを取って事情を説明したのだ」

――小倉会長は5月初めにもパラグアイにある南米サッカー連盟本部を訪れて、ブラッターやプラティニUEFA会長とも会合の場を持ちましたね。

「そう。いい選手たちが偶発的に集まれば大陸王者になれるというわけではない。日本がアジア王者になった背景には、クラブ役員や協会幹部たちの賢明で地道な努力があり、それは日本のサッカー界が代表の発展に向けて正しい道を歩んでいることの証。

 そしてチームが強くなる上で大切な、ファンの多大な支援も存在するという証拠だ。このような国を、サッカー界の同志として支援することの重要性をブラッターやプラティニにもよく理解してもらい、代表選手たちが所属する各クラブに対して、日本サッカー協会からの貸し出しの依頼に、FIFAとUEFAからも全面的な協力を約束してもらったのだ。

 2~3日間のパラグアイ滞在期間中、セニョール・オグラは寝る間も惜しんでブラッター、プラティニ、そしてビジャール(FIFA副会長及びUEFA第三副会長)と個々に会談し、15人の日本代表選手の貸し出しへの協力を依頼していた。

 彼はおそらく、一睡もしていなかっただろう。幸い、FIFAもUEFAも日本に協力することに全面的に同意し、文書に連名でサインをした。あとは各クラブが承諾してくれることを祈るだけだ」

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