アジア王者である日本に参加してもらうことは、我々にとって非常に名誉
――あなたはもう30年以上もアルゼンチンサッカー界のトップに君臨しています。その立場から、今回のコパを通じて、世界中のサッカーファンに何を見てもらいたいと思っていますか?
「まず何よりも、今までサッカーを通じて友好関係を結んできた全ての国々に感謝の気持ちを伝えたい。世界中のサッカー関係者たちが、この美しいスポーツを愛する気持ちをもって魅力を伝え、人気を保ち、その結果としてこのような大会を開催することができるのだからね。
特に南米諸国の同胞たちは、今大会をアルゼンチンで成功させるために、様々な面で全面的に協力してくれた。彼らに対する感謝の気持ちは尽きない。そして次に、24年前とは違う、21世紀の新しいアルゼンチンを見てもらいたい。
今のアルゼンチンには、80年代には導入さえも難しかった、先進国にも負けないだけのインフラが整っている。隣国のブラジル同様、未来に向かってどんどん成長を遂げている国であることを示したい」
――さて、今回は日本代表が招待されていますが、未曾有の大震災の影響を受けて参加が危ぶまれています。
「地震のことについては…(声を詰まらせて数秒間無言になる)あまりにも悲し過ぎて、ニュースで知った直後はしばらく何の言葉も出なかった。私は仕事で世界中の国々に出かけ、各国の人々と交流を図っているが、日本は世界で最も献身的で、思慮深く高貴な国だと思っている。
私も妻も、79年(日本でワールドユースが開催された年)からこの32年間、日本に行くたびにとても温かいおもてなしを受けてきた。そこで、よりコパ・アメリカに日本代表を招待することの意義が高まったと感じたのだ。
スポーツ、特に世界中で最も人気のあるサッカーは、喜びと同時に、人々に勇気と前進するエネルギーを与えてくれる。アジア王者である日本に参加してもらうことは、我々にとって非常に名誉なことだが、それ以上に、震災後の日本の皆さんに、歴史のある国際大会における日本代表のパフォーマンスを見てもらうことで、未来に向かって進む力を得てもらいたいと思った」