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香川真司 10年前

香川、『ファン・ハール監督がトップ下で評価』にはらむ危険性。マンUでの未来はセンターハーフにあり

text by 海老沢純一 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

香川のトップ下に一定の評価も、気になる「前の2試合よりは」

 そして、この試合でも後半開始から起用された香川真司は、これまでのセンターハーフではなくトップ下で出場した。後半開始のメンバーは以下の通り。

GK:デ・ヘア
DF:キーン、エヴァンス、ブラケット
WB:(右)ヤング、(左)ショー
CH:フレッチャー、クレバリー
トップ下:香川
FW:ナニ、ザハ

 ファン・ハール監督は、香川のトップ下について試合後に一定の評価を下したようだが、「前の2試合よりは」という部分が気になる。

 実際、それほど良いパフォーマンスをしていたわけでもなく、自ら仕掛けることもない。主力が退いてナニやザハと組んだだけに連係も取れていたとは言えず、欲しいタイミングでボールが来ない状況の方が多い印象だった。

 現実的に考えて、トップ下は積極性のあるマタやルーニー、ヤヌザイの方が序列は上。となると、ファン・ハール監督が香川をトップ下の選手と限定してしまうのは危険だ。

 トップ下ではなくセンターハーフであっても、ルーニーやファン・ペルシー、マタ、キャリックとともにプレーすれば質の高い攻撃に参加できる。このセンターハーフは、ボランチや守備的MFとも言われるが、実際には決して守備的なポジションではない。むしろ、ゲームメイクの中核となるポジションだ。

 とは言え、当然守備でも貢献しなくてはならないが、それはどのポジションでも同じこと。むしろ香川にとって守備は“苦手”と言われている要素だけに、センターハーフでプレーすることで克服できるかもしれない。そうなれば、香川はもう一段階レベルの高い選手となれるだろう。

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