相次ぐ負傷から復帰の目処。リスタート地点に立った木鈴
一方、キローラン木鈴は、リスタートの地点に立ったばかりだ。
ここ数年は、けがとの戦いだった。2012年、北九州でレギュラーを務め、29試合3得点をマークしたが、10月に右ひざを負傷。前十字じん帯損傷、内側側副じん帯損傷、および外側半月板損傷で、全治約5?6ヵ月の診断だった。長いリハビリを経て、2013年6月に帰還。
しかし、復帰3試合目にまた同じ部位を痛めた。再びリハビリの日々に押し戻されて約1年。7月8日、練習に部分合流し、8月上旬の完全合流を目指してメニューを着々と消化している。故障の程度こそ違えど、木鈴と菜入はほぼ同時期に同じ右ひざを痛めた。人知を超えた双子のシンクロニシティか。
「やっと、ですね。ドクター、トレーナーのおかげで練習参加までこぎ着けられてよかったです。対人トレーニングはまだですが、ボールは蹴っています。
右でも左でも問題ない。サッカーを始めてからけがとは無縁で、前十字という言葉も知らなかったくらい。2回目のときはさすがに落ち込んで、弱気になりました。一時はサッカーができなくなるかもしれないと考えた」
木鈴の表情は明るい。どうにか復帰の目処が立ったからだろう。リハビリは単調な作業の繰り返しで、先の見えない時期は暗くなりがちだ。気晴らしは、好きなテレビ番組を見るか、気の合う仲間と食事に行くくらいしかなかった。
「正直、サッカーの試合はあまり見たくなかった。もちろん、ヴェルディの試合は見ていましたよ。勝てばうれしいし、負ければ悔しい。でも、どっちにせよ自分はなんにもしてないなぁ。最後はそこに行き着いてしまう」