双子の兄、木鈴とともに東京Vジュニアチームを受験
プロ4年目にして、ようやく踏み出した第一歩。東京ヴェルディユース92年組の同期である、小林祐希(ジュビロ磐田)、高木善朗(清水エスパルス)、高野光司(アスルクラロ沼津)、双子の兄キローラン木鈴(コリン・東京ヴェルディ)のなかでは最も遅いデビューとなった。
アイルランド人の父と日本人の母を持つハーフだ。男ばかりの4人兄弟で、長男のキローラン裕人もかつて東京Vに所属していた。生まれ育ったのは新宿区四谷で、近所の小さな公園でボールを蹴ることからサッカーに親しみ始めた。
「小1から、ずっとGKですね。木鈴と一緒に公園に行って、あいつがシュートを打ちたいからキーパーをやってくれと言う。じゃあ、かわりばんこね、という約束で30分くらいやって交代してもらうんですが、今度は10分もしないうちに家に帰ろうと言いだすんですよ。それで自然とGKに。
性格的には木鈴のほうが我が強く、いつも強気な態度でいる。僕が弱気ってわけでもないんですけど、あいつがびびっているところは見たことがない」
東京ヴェルディとの縁は、サッカー専門誌に掲載されていたジュニアチームのセレクションの広告を母親が目にしたのがきっかけだった。ほんの軽い気持ちで新小4セレクションを受けたところ、菜入は難関を突破したが、木鈴は1次テストではじかれた。
「最後に競っていたのが、ヴェルディの関係者の息子さんで、子ども心にこれはダメっぽいなと思ったんですが、自分のほうを選んでもらえました。最初はちょっと不安でしたね。それまでいたチームを辞めるのはいやだなぁと迷ったりして」(菜入)
「セレクションでは自分が中心になって点を取ったりしているのに、えっ、これで落とされるの? 見る眼がねえなと思っていました。ショックでしたけど、また次の機会に受ければいいやと」(木鈴)