失点に動じることなく好セーブを連発
この瞬間、浦和は8試合ぶりに得点を許し、連続無失点記録は途切れた。だが、この試合の展開だけをみれば、振り出しに戻っただけ。記録を伸ばせなかったことを悔いている場合ではない。
焦点は、失点後のパフォーマンスだ。
「思っていた以上に割り切ってプレーできた」と西川は振り返る。失点シーンについても「自分たちがトライした中で受けたカウンターだった」と、ゴールを奪うためにチャレンジした味方の選択に納得の表情を見せた。凡ミスなどネガティブな奪われ方ではなかったことも、西川が割り切ってその後のプレーに集中して臨めた一因ではないだろうか。
また、失点に動じなかっただけでなく、失点から学び次に活かすこともできた。
「(失点場面について)いいシュートでしたけど、自分としてはもう少し寄せたかった。でも、あの失点があったからこそダヴィのシュートを止めることができたと思います」
それが後半32分のシーン。オフサイドラインを掻い潜った鹿島のダヴィが左サイドを抜け出しゴールへ突進。左足で放った渾身のシュートを、西川はしっかり手に当てて弾き出した。失点の時とは左右反対だったが、角度的には同じだった。そして、ダヴィもニアサイドの上隅を狙って来た。ここで西川がしっかり手を出せたのは、失点をすぐさま教訓にした結果だった。
「上に打たれても手を出せる、いい構えができていたと思います」
相手の決定機をことごとく防ぎ、貴重な勝点1獲得に貢献した。チームは首位を走っているが、最後の砦である西川の活躍抜きには語れない。
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