鹿島・柴崎の強烈な一発で無失点記録はストップ
前節、J1新記録の7試合無失点という記録を打ち立てた浦和レッズ。この日の鹿島アントラーズ戦の最注目ポイントは、この記録を更新できるのかという点だろう。今シーズンから浦和に加入したGK西川周作が守護神として立ちはだかり、守備陣も危険な局面で身体を張れるファイターばかり。チーム全体の連動も組織的で、上積みしてきたその守備力はやはりダテではない。
しかし、記録とは必ず途絶えるものだ。それを最もよくわかっていたのは、西川だった。試合前から「もちろん記録は伸ばしたいが、チームのために勝つことをまず考える」とコメントしており、たとえゴールを奪われたとしても浮き足立ってはいけない。むしろ失点した時に、その後どのようなパフォーマンスを見せられるかが大事だった。
先制したのは浦和だった。高精度の左足でゴールを演出し続ける柏木陽介が蹴ったCKをきっかけに、最後は混戦を興梠慎三が押し込んだ。
だが前半30分、鹿島が速攻を仕掛ける。柏木の縦パスを鹿島の若手センターバック・植田直通がインターセプト。土居聖真、ダヴィと繋いで右サイドのスペースに走り込んでいた柴崎岳へボールが渡る。柴崎は中の状況も確認しつつシュートを選択。右足を振り抜くと、ニアサイドの上に突き刺す強烈な一撃を沈め同点に追いついた。ボールをカットしてからゴールを奪うまでのスピードや、その中でプレーに関与した選手の正確な判断など、鹿島らしい鋭いカウンターだった。
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