真剣勝負の公式戦で様々な演出。スタジアムは異様な雰囲気に
しかし、彼を「将来有望な若手」と考えるのは改めた方が良い。W杯通算10得点を挙げ、王者に輝いたトーマス・ミュラーは柿谷と同じ24歳だ。傑出したチームの傑出したMFであるトニ・クロースも24歳。
ブラジルで最高級の活躍を見せたハメス・ロドリゲスは23歳。ネイマールは22歳。リオネル・メッシがバロンドールを4年連続で獲得したのは22歳~25歳の間。
そして、ギャリー・ネビル、ニッキー・バット、ポール・スコールズ、デビッド・ベッカムはマンチェスター・ユナイテッドでトレブルを獲得した1999年は24歳だった。
もちろん、私は柿谷の才能を否定するつもりはない。しかし、一般的に日本で考えられている「若手選手」の基準は世界の他国と大きく異なっていることを知ってもらいたい。24歳は若手ではない。
多くの選手にとってピークを迎える年齢であり、柿谷もすぐに結果が求められる日本のトッププレイヤーの一人として見るべきだ。
ヨーロッパに移籍することは彼にとって必要なステップであり、バーゼルへの移籍は定期的にプレーするためにも、チャンピオンズリーグに出場するためにも賢い選択だったと言えるだろう。
しかし、それでも度を過ぎたイベントを開催する理由にはならない。特に、セレッソ(および柿谷)が苦戦を強いられている今シーズンの状況では。
川崎フロンターレとの試合が行われたキンチョウスタジアムは異様な雰囲気だった。柿谷はベンチだったにも関わらず、試合前のスターティングラインナップによる写真撮影に参加した。
その後、安藤が先制点を挙げた際には柿谷と祝うためにベンチまで駆けつけた。さらに、柿谷は山口螢のキャプテンマークを巻くパフォーマンスまで披露した。
これら全ては、まるでプレシーズンマッチのような雰囲気を醸し出していたが、実際はセレッソにとって必死になって勝ちにいかなければならない公式戦だ。