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モナコは既に操り人形状態に。世界一の代理人が仕掛けたハメス・ロドリゲスの売却と今後の企み

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

モナコの影のドンとなっているメンデス

 リボロフレフ会長が着任して新体制となったモナコにとって、メンデスは影のドンとも言える存在で、メンデス一派ではないラニエリの居場所がなくなったのは、ある意味、自然な流れだった。

 よって、ラニエリの解任が決まったときには、後任にメンデス、あるいはカンポスの息がかかった人物が選ばれることは容易に予想がついた(ジャルディンはメンデスの直接のクライアントではないが)。

 彼が選ばれたもう一つの理由は、リボロフレフ会長らフロント陣が、自分たちの意のままになる監督を欲していたということ。ラニエリは、良くも悪くも自らのポリシーを貫くタイプだった。ビッグネームにとらわれずにローテーションを敢行することから、昨季はアビダルとの確執も噂になった。

 その点、ジャルディンはコントロールしやすいであろう…というのがフロントの腹づもりである、というのはメディアの邪推と言えなくもないが、歴代の所属クラブでは、彼は選手やスタッフの人心掌握について、非常に評価が高かったという実績もある。

 また、フィジカルトレーナーの教育も受けているため、選手が嫌うランニングなどを、ボール練習と組み合わせて楽しみながらやらせる、といった工夫をこらした練習メニューも選手たちから評判が良い。

 このあと、まだメルカートでは動きがあるだろうが、ジャルディン新体制でスタートを切る今季のモナコは、PSG以上に興味をそそられる存在だ。

【了】

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