ハメス・ロドリゲスの倍返し
W杯の余韻もすっかり冷めた感じの今日この頃だが、現在進行形のメルカート(移籍市場)には、大会の影響が顕著だ。
フランスリーグで一番その利を得たのがモナコ。
6得点を挙げて大会得点王、ウルグアイ戦での、胸トラップからの強烈な左足のボレーシュートが大会ベストゴールにも選ばれたハメス・ロドリゲスは、主砲のラダメル・ファルカオが膝の負傷で欠場という状況の中、コロンビアを8強まで引っ張った。
22歳(大会中の7月12日に23歳の誕生日を迎えた)の若きエースは、今大会でもっとも目立った活躍をした選手の一人であり、彼の“価値”はW杯を経て急上昇。そして昨夏、モナコがポルトに支払った4500万ユーロ(約63億円)を8000万ユーロ(約112億円)と約倍返しにして、レアル・マドリーへと巣立った。
コロンビア代表と同様、モナコでもファルカオが負傷した後は主力として奮闘し、リーグアン昇格1年目のクラブを、PSGに次ぐ2位の座に押し上げる原動力となった。ここで得た経験は、W杯でも少なからず活かされたことだろう。
ロドリゲスにとってモナコでの1年は、さらにビッグクラブへ羽ばたくための、貴重なステップになった。なおかつモナコにも、昨夏支払った額を差し引いても相当なお釣りがくる置き土産を遺したのだから、両者WIN-WINといったところだろう。
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