特筆すべき浦和の守備力
浦和レッズはJ1で首位に立つ。経営規模、多くのサポーター、注目度など、ビッグクラブと呼ばれる要素を多数備える浦和だが、それらに見合うだけの強さをついに身につけた感がある。
特筆すべきはその守備力だ。第16節終了時点での浦和の失点数は9。これはリーグ唯一の一桁台である。そして、失点の少なさからある大記録も生まれた。前節、徳島ヴォルティスを完封し、J1新記録となる7試合連続無失点試合を達成した。
チーム全体の守備意識もさることながら、やはりクローズアップすべきなのはGK西川周作だろう。サンフレッチェ広島から浦和というここ数年の移籍ルートに乗るように、今シーズンから浦和に加入した守護神の存在が素晴らしい。
昨シーズンまでの浦和は、攻撃力がある一方で守備には不安があった。守備力の向上はチーム全体の守備意識、ディフェンス陣の奮闘があってこそ。それでも、最後の砦として立ちはだかる西川の存在は、浦和がJリーグ王者に返り咲くためのラストピースだった。
そして攻撃も、上位チームの中では少ないが、ここまで22ゴールを奪っている。浦和対鹿島ということで、興梠慎三の存在は勝負を盛り上げる要素のひとつだ。長く鹿島で活躍し、エースナンバーの13も背負ったが、昨シーズン、浦和に移籍。すぐに浦和でも欠かせない戦力となった。
ポストプレーに長け、裏へ抜け出すこともできる。自ら仕掛けるプレーも魅力だが、味方を使うのも上手い。鹿島のセンターバックコンビに話は戻るが、経験の浅い昌子と植田にとって、興梠への対応は苦労するだろう。間合いを詰めても、興梠は巧みにボールをキープする。そして簡単に味方に預けることで浦和の攻撃を加速させる。
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