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Jリーグ 10年前

首位・浦和を鹿島は止めることが出来るか? 伝統の“赤VS赤”のカギ握る若きセンターバック

明日行われるJ1。何と言っても注目は浦和対鹿島の一戦だ。首位に立つ浦和が鹿島をホームで迎え撃つ。これまで幾多の名勝負を繰り広げてきた両チーム。果たして、注目のポイントはどこにあるのか?

text by 青木務 photo by 松岡健三郎

若いセンターバックが奮闘する鹿島

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浦和レッズ・興梠慎三【写真:松岡健三郎】

 J1再開初戦となったFC東京戦。鹿島アントラーズは0-1とビハインドを背負いながら、後半終盤に豊川雄太のゴールで1-1に追いついた。微妙なレフェリングで試合が若干荒れ、試合後にはトニーニョ・セレーゾ監督が「両チームに過度な緊張感、緊迫感が生まれてしまった。(レフェリーは)もう少し柔軟に対応できたのではないかと思う」とコメントした。

 ただ、リードを許す中で追いつけたことは収穫だった。鹿島にもチャンスはあったが、FC東京が複数得点を奪っていてもおかしくない試合だった。それでも鹿島が1失点で乗り切れた。そこには若い2人のセンターバックの奮闘があった。

 21歳の昌子源は今年4月、国内組のみで行われた日本代表候補合宿に呼ばれた経験を持つ。最終メンバーには残れなかったが、ポテンシャルの高さを示した。19歳の植田直通は2011年のU-17W杯に出場し、ベスト8進出を果たしたチームのメンバーだった。2人ともこのまま順調にキャリアを積んでいけば、先日就任が発表されたハビエル・アギーレ日本代表監督の目に留まる日が来るはずだ。

 このセンターバックコンビを信頼して起用しているセレーゾ監督は、彼らについてこう話している。

「若いセンターバック2人にはミスもあるが、彼らの頑張りを称えたい」

 勝利を義務付けられる鹿島でのプレーは、毎試合ヒリヒリした緊張感があるだろう。それがセンターバックというミスの許されないポジションなら尚更だ。だが、そういう経験が若者を百戦錬磨の戦士にしていく。

 秋田豊や岩政大樹など、鹿島には頼りになるセンターバックがチームを鼓舞し、支えてきた。クラブのレジェンドと比べれば、まだやるべきことは山のようにある。それでも、偉大な先達を超えられるだけのポテンシャルを2人は持っている。

 常にタイトルを渇望するクラブだからこそ、妥協を許さない周囲に付いていけば個人の成長スピードも上がる。昌子と植田には、現状に満足せず奮闘を続けることが求められる。

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