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コルドバはなぜハーフナーを獲得したのか? 現地記者が分析する資金面・戦力面で必要だった理由

text by 一色伸裕 photo by Getty Images

約10億9000万円の負債。実績ありながら移籍金ゼロのハーフナーは魅力

 フェレール監督は就任すると守備を強化。冬の移籍市場終了後の任務とあって既存の戦力でのやり繰りとなったが、試行錯誤を繰り返しながら守備力を上げていった。

 なかでも大きくテコ入れしたのが最終ラインだ。それまで左サイドはベテランのラウル・ブラボか、若手のサム・デ・ロス・レジェスが交代でプレー。前者は33歳の年齢とあって体力の低下が不安視され、後者は不安定な守備が問題視されていた。

 フェレール監督は1月にBチーム加入したばかりのダニ・ピニージョをトップチームへ昇格させ起用し、右サイドでも同様に加入したばかりのウルグアイ人DFグニーノを抜擢。

さらには不動の守護神サイサルを外し、若手GKフアン・カルロスを最後の砦に据えるなど、思い切った采配で守備を立て直し、それまで1試合平均1.19失点だった守備を、同0.75までにするなど結果を残した。

 来たる新シーズンは1部を戦うだけにこの守備力に磨きをかけるのはもちろんだが、同様に攻撃力も磨きたいところで、それを視野に入れてフィテッセからハーフナーを獲得した。

 同選手はフィテッセとの契約満了に伴いフリー移籍となっていた。800万ユーロ(約10億9000万円)の負債を抱えるチームにとって移籍金の掛からない選手はやはりありがたいもの。それでいてオランダリーグで結果を残しているハーフナーは魅力的に映ったはずだ。

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