クラブを刷新し、ロシアへ擦り寄ったSCタフリヤ・シンフェロポリ
プーチンは強硬な姿勢を崩すことはしない。そうしたある意味、一貫した態度からアブラモヴィッチをはじめオリガルヒ(ロシアの新財閥)は一定の距離を保っている。チェルシーのオーナーがロンドンで市民権を取得しているのがいい例だ。
有事のときには逃亡できるよう親プーチン派でも警戒心を緩めることはしない。毒殺された元KGBのアレクサンドル・リトビネンコや死ぬまで逃亡を強いられた実業家ボリス・ベレゾフスキーらの二の舞いにはなりたくないのだ。
先般起こったマレーシア航空機撃墜事件では、親ロシア派の不可解な行動が国際的にも非難された。ロシア政府の関与も疑われている。
ロシアをめぐる喧騒は収まりそうもない。サッカーでも刻々と事態は進んでいる。ウクライナ人がオーナーを務めていたSCタフリヤ・シンフェロポリとFCセバストポリはロシア編入へ抵抗すると見られていたが、SCタフリヤ・シンフェロポリはクラブを一新し、ロシアサッカー協会へライセンス申請している。
ロシアリーグ、およびウクライナリーグが新シーズンを何チームで行うのかは極めて重要な問題だ。
このような中、FIFAはどのような判断を下すのか。そして制裁が課されたとき、プーチンはどう決断するのか。彼にとってW杯がどのようなプライオリティがあるかで、すべてが決まる。
果たして、誰にロシアは住みよいか――。
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